HOLI Collection

design by Simone Viola, 2016

 
かつて、アメリカの作家で詩人のガートルード・スタイン(Gertrude Stein)はこう言いました。「薔薇は薔薇であり、薔薇である」と。つまり、あらゆるものは、そのものにしかなれないのです。その一方でスタインは、あるものの名前には個人的かつ普遍的な感情が込められがちだとも言っています。デザインの対象となるものは、その美しさ、形状、色はもちろん、扱いやすさや機能性でも卓越しています。とはいえ、イスだけは、使用している間は文字通り私たちの視界から消える力を持っており、座っている間にその存在を忘れてしまうのなら、それはとても快適だということになります。つまりイスは、私たちの体重を喜んで受けとめ、私たちがくつろいだり、仕事をしたり、長時間テーブルに向かっていられるようにするものなのです。確かに、イスは「座る」ということに対する私たちの期待を十分に満たしてくれます。自宅で、カフェで、オフィスで……私たちはどこへ行っても座ります。「座る」という動作は、飲んだり食べたりすることよりも頻繁に起こります。私たちは気づかないうちに、この自動的ながら基本的な動作を1日に何十回と繰り返しているのです。実際のところ、居心地の悪いイスだけは、座った瞬間にそのことに気づくものです。Holiは適度な高さで座る人の体を包み込み、そのスリムで無駄のないフォルムを保ちながら、背中を快適に支えます。このコレクションは、アームレストの有無や、2段階の高さが選べるスツールといったバリエーションが豊富で、しかもそれらは全て積み重ねた状態での保管が可能です。背もたれは穴あきタイプと穴なしタイプから選べ、どのような生活空間にもフィットして、家の中と外で使用する家具に理想的な統一感をもたらします。金属の骨組み部分はポリプロピレン製の座面とまったく同じ色で塗装され、一体感を生み出しています。色はホワイト、ブラック、テラコッタレッド、オリーブグレイの4色からお選びいただけます。

HOLIコレクション、シモン・ビオラ(Simone Viola)デザイン

シモン・ビオラはスイスのメンドリジョで1985年に生まれました。 プロダクトデザインの真髄をミラノで習得し、さまざまな建築およびデザイン研究における協力を通して、彼はスイス国内外で経験を積んでいます。2011年、家具などの産業プロジェクトに重点を置いたシモン・ビオラ・デザインスタジオを立ち上げました。彼の理念はプロジェクト開発関連の材料や技術面の研究にあり、歴史的及び芸術的な引用によって概念的に導かれています。このアプローチは、現代デザインとの最も自然なつながりを生み出し、流行の表現としてではなく、形と利用用途がうまく結びついたモノが表現されています。やわらかく自然で上品な形状と、ディテールにまで行き届いた配慮が彼の作品の特長です。開発において試行錯誤を続けることで、高品質で幅広く融通の利く製品の実現が可能になっています。

HOLI Collection configurator